【僕らは奇跡でできている 第6話】フジテレビ系列、火曜21時放送
https://www.ktv.jp/bokura/index.html
第6話あらすじ
山田さん(戸田恵子)の提案により相河家で食事会が開かれました。
そこには鮫島教授(小林薫)をはじめとする大学関係者に加え、育美(榮倉奈々)ら水本クリニックの面々も招かれます。
森ではついにリスの橋が架かりました。果たしてリスは渡ってくれるのでしょうか。
感想
第5話の記事には今までで一番の反響をいただきました。
読んでくださった方本当にありがとうございます!
その流れで第3話の記事に、ブログ開設以来初のコメントをいただきました。
とても嬉しかったです!
そのマダムとんぼさんからのコメントで高橋一生さんがパウロ・コエーリョを愛読しているという情報を教えていただきました。
それで気付いたのですが、第5話の記事で言及した「スポンサーの影がちらつくと気になる」のは、ドラマの世界観が崩れてしまうからかもしれません。
『僕キセ』を見て私はパウロ・コエーリョの小説を連想したのですが、このドラマにはファンタジーに近い独特の世界観があるように思います。
それがスポンサーの商品が全面に出ることによって崩れてしまうのが、もったいないなと感じた原因ではないでしょうか。
重要な示唆を与えてくださいましたマダムとんぼさんに改めて感謝いたします!
さて第6話の感想に入ります。
一輝(高橋一生)の自転車がパンクしてしまい、講義に遅刻します。
しかし、修理のために立ち寄った自転車屋さんでの話に学生たちは興味津々です。
「(回り道したことが)無駄じゃない。むしろ生かしてる」
という鮫島教授の言葉が良いですね。
「無駄」から学ぶことは多いです。
山田さんが食事会を企画します。
そして山田さんからの勧めで一輝は育美を誘います。
一輝からの育美への接し方もちょっとずつ変化してきているような気がするんですよね。気持ちが近づいてきているというか・・・
しかし、その日は育美の誕生日です。
育美は料理教室の予約することを理由に誘いを断りますが、週末金曜日なので予約がいっぱいということでキャンセルが出ない場合食事会に参加することになりました。
後で書きますが、このシーンでの一輝の一言
「僕が水本先生なら料理教室をやめます」
が、育美にとって問いかけとなったようです。
山田さんかなり張り切って準備をします。
ところで山田さんが家政婦になった経緯が気になります。
後半の回で描かれるのでしょうか。
熊野さん(阿南健治)が来たのはおもしろかったです。
いつも熊野さんも一輝のことを考えて叱っているんですよね。
食事会の前に、今回は少なめだった学生たちのシーンがありました。
「でも本当にやりたいことなんかないし」
という須田(広田亮平)の言葉に共感です。
一輝の姿を見てやりたいことをやろうと思っても、本当に自分がやりたいことってはっきりしていることの方が少ないですもんね。
食事会ではいくつか印象に残るエピソードがありました。
まず鮫島教授の周波数がまわりと違うため、コミュニケーションがとれないクジラの話です。
「年々周波数が少しずつ変化しているんだよ」
という言葉に、人と交わりながら成長する一輝の姿が重なります。
リスが食べると松ぼっくりがエビフライに。ほっこりしますね。
皮がやぶれたギョーザをスープに入れます。
「そうか。やぶれても順調だ」
これも自転車のエピソードと似た話ですね。
失敗や無駄から得るものがあります。
それにしても今回のMVPは丹沢(トリンドル玲奈)ですね!
私は完全にトリンドルを見くびっていました。
トリンドル(「丹沢」と書くべきですが「トリンドル」でいきます)が育美に料理教室ではなくて山田さんに料理を教わったらどうですかと提案します。
育美と彼氏のこと、歯科医院にき来た山田さんの正体、一輝と育美の関係、全部見抜いてるじゃないですか。
もし一輝と育美が近づいていくのであれば、トリンドルが鍵を握りそうです。
トリンドル、グッジョブ!
樫野木先生(要潤)が離婚した原因の一端が明らかになりました。
フィールドワークに飛び回っていたことにより結婚生活が壊れてしまったようです。
単にやりたいことをやっていれば幸せになるという訳ではないのですね。
先程の「本当にやりたいことがわからない」という学生の言葉、樫野木先生の離婚原因、この辺りを描いているのが、僕キセが丁寧な作りになっている所以でしょう。
心の綺麗な天才に周囲が感化されていく、というわかりやすい話ではないのです。
リスが渡るための橋に天井が完成しました。
樫野木先生はフィールドワーク好きなんですね。楽しそうでした。
「僕が水本先生なら料理教室をやめます」
という言葉がひっかかっていた育美は一輝に
「やめたらやめたでこう思うんです。入会したのにやめた自分はダメなんだって」
と返します。
一輝が返した言葉は
「自分をいじめてしまうんですね」
というものでした。
リスが橋を渡ったかどうか確認したいということで、なんと育美から「一緒に森に行ってもいいですか?」と申し出ます。
今回一輝が考えていた謎は「なぜ育美があのとき泣いたのか」というものです。
その答えが森で育美から明かされます。
「本当は彼と別れたくなかったんです」
あのとき彼を信じられなかった、あのとき帰らないでって言えばよかった。
でも連絡できません。自分に自信がないからです。
「自信がないから自分がどうしたいかより人にどう思われるかが重要で、こうしなきゃダメ、ああしなきゃダメって、いつも自分を責めて、そうやって自分をいじめてました」
「自信がないから腕の良い歯科医って思われたくて、留学してし審美歯科の技術を学んだり、経営学や中国語を学びました」
「相河さんの言うとおりです。私は、うさぎです。自分はすごいって証明したいんですよ。本当は自信がないから。本当は自分が嫌いみたいです」
この台詞には驚きました。
よく法話(仏教の話)で話されるような内容ではないですか!
自分に自信がなくて寂しいという気持ちから、自分を良く見せよう、確固たる自分を築き上げよう、人よりも上に立とう、都合の良いものを求めようとする・・・
これを仏教では我執と言います。
そしてその我執に気付くためには人や言葉との出あいが必要となるでしょう。
自分で自分の姿を見ることはできませんが、人との出あい、言葉との出あいが自分の影(自分の姿)を映し出す光となることがあります。
まさに育美が一輝と出あったように。一輝の言葉と出あったように。
「どうしたら自分と仲良くなれるんですか?」
という育美の問いに一輝は
「わかりません」
どう答えていくのか、答えは後半の回で描かれていくのかとても気になります。
でも、まずは苦しみの原因に気付くことが大切だと思いますし、育美の歩みつつある道は間違っていないのではないかと思います。
このドラマはやはり
仏教ドラマです!
比喩表現の豊かさがまた仏教っぽいのです!
リスが橋を渡り
「あっちの世界とこっちの世界がつながりました」
来週も楽しみです。
スポンサーの影、今回はほとんど感じませんでした。
あとアンジャッシュ大島演じる沼袋先生がいい味出してます。
大島さんはますます演技の幅を広げていますね。
今回は特に引くところがないですし、初の満点でいこうと思います!
私の満足度10(10段階)