今年読んだ仏教書をみなさんと共有できたらおもしろいかなと思い、「#2018年おすすめ仏教書」というタグを作ってみましたが見事にスベってしまいました(笑)
参加していただいた六角堂さんに感謝です!
企画としてはスベりましたが、せっかくなので私が選んだ3冊について簡単に感想を書いておきたいと思います。
まずは
『超越と実存 「無常」をめぐる仏教史』(新潮社)南直哉
についてです。
感想
なぜこの本をおすすめに選んだかと言うと、問題意識が私とまったく同じだからです。
「一、死とは何か
二、私が私である根拠は何か」(p18)
私もその二つのことをずっと考えていました。
小学校高学年~中学生の頃、死の恐怖にうなされるようになりました。
考え始めると寝られなくなるのです。
そして、高校生になった頃から「存在」について考えるようになりました。
そして大学生になりニヒリズムに陥り…という自分史はまたいつか書くとして、私と同じ悩みを抱えてきた方がいるということが嬉しかったので本書を選びました。
ただ、各章で紹介されているそれぞれの宗派に所属する方にとっては、ツッコミどころもあろうかと思います。
法然上人と親鸞聖人の問題設定や視点が違うということが強調されていますが、お二人の信心は同じであってお念仏に違いがあるわけではありません。
だから思想の違い云々は真宗門徒にとってはあまりピンとこないかもしれませんね。
それでも、日本人がアニミズム的な「ありのまま」を好むという背景から、法然上人が一神教パラダイムと見なされ非難されたのではないかという見方はなるほどと思いましたし、他力の念仏について
「それは「信じる」行為そのものを脱落してしまうことによって行う念仏である」(p220)
というように、信じる主体が対象を設定して行う自力の念仏とは違い、それらは脱落・消去される(つまり一神教パラダイムが破壊されている)のだと書かれているのがおもしろいなと思いました。
よかったら読んでみてください。