『スタディーズ 空』(春秋社) 梶山雄一
「♯2018年おすすめ仏教書」シリーズです。
以前『空入門』を読んだことがあるので一応再読ということになります。
分かりやすく書かれていたという記憶があったのですが、たしかに文章自体はやわらかいものの内容は骨太です。
気を付けないと意味が取れなくなってしまいます。
素直にそのまま読めば良いだけなんですけどね。
油断していると実体化して考えようとする気持ちも出てきてしまいますし、そうなると読めなくなります。
以前読んだときは学生だったのですが、分からない部分を読み飛ばして比喩の部分だけをつまみ食いして分かった気になり、師匠を呆れさせたことがあったなと思い出しました。
龍樹の論法が丁寧に説明されており、また龍樹に影響を与えたと思われる思想について書かれているのがありがたいです。
梶山先生はAとBがお互い影響を与えあうというような、二つのものを実体化する単純な相依関係を述べられているイメージがあったのですが、はっきりと否定されています。
間違って記憶していたことに気付けて良かったです。
本書を読んで、久々に中観派についての勉強を再開したいなという思いが強くなりました。
来年は頑張る・・・かもしれません。
おさえておいて間違いのない、自信を持っておすすめできる一冊です。