#2020年おすすめ仏教書3冊
#2020年おすすめ仏教書3冊
◎企画説明
音楽雑誌で今年のベストアルバムを選ぶ企画がありますよね。
同じように仏教書でやってみたら面白いのではないかと思って企画しました。
仏教書を選ぶ企画も専門誌で見かけますが、自由参加で誰でも投票できる企画もあったら楽しいと思うのです。
一昨年から始めたのですが、2018年に出版された本という点にこだわったしまったため、参加してくださる方がほとんどいらっしゃいませんでした。というわけで昨年から「その年に読んだ本」という条件に変更しています。
世の中にはたくさんの仏教書があって何を読んだらいいのか迷いますよね。
おすすめされた本って読んでみたくなりませんか?
新たな一冊との出会いがあるかもしれません。
ぜひおすすめを共有できたらいいなというわけで、ご参加お待ちしております。
・Twitterで「#2020年おすすめ仏教書3冊」というハッシュタグをつけて投稿してください
・2020年に読んだ仏教書の中から選んでください
・1~2冊でも大丈夫です
・他の方の投稿とかぶっても大丈夫です(集計します)
年明けに
・投稿された本の一覧(2020年に出版された本&2020年以前の出版で複数投票された本)
・その本が何票獲得したか
以上二点をブログにまとめます。
この企画がより楽しくなるように投稿数が伸びてほしいなと願っております♪
◎私が選んだ三冊
それでは私が選んだ3冊について、選んだ理由を書いていきます。
入門書というよりは、『教行信証』をすでに読んだことがある方向けだと思います。
藤場先生は各巻について詳しく書かれた本もすでに出されていますが(『親鸞の教行信証を読み解く』私は未読です)、本書の良い点は『教行信証』を貫く三つの流れについて書かれていることです。『教行信証』を読み進めていると、なぜここでこの引用がされているのか、この順番に並んでいる意図はなぜなのか・・・とわからなくなってくるのですが、一つの書物としての流れが見えてくると読みやすくなるように思います。もちろん藤場先生の読み方をすべて受け入れなければいけないということはないですし、自分で読み直すきっかけとなる一冊です。
真宗門徒とはいえ、難解な『教行信証』には触れたことがないという方もいらっしゃるでしょう。親鸞聖人の主著ですし、思い立ったら取り組んでみるのもアリではないでしょうか。
『教行信証』を読んだことない人はどうするの? と言われてしまいそうなレビューですが、後半の「極難信の法」についての記述は読みやすいですし、私にとって一番おもしろかった箇所です。難しく感じたら飛ばしながら後半だけでも読んでみてください。
・二冊目 『天才 富永仲基 独創の町人学者』(新潮社) 釈徹宗
富永仲基に関して私の印象は「よく平田篤胤とセットで語られる、大乗非仏説論を唱えた反仏教的な人」というもので、あまり良い印象ではありませんした。しかし、本書を読んでかなり誤解していたことに気付きました。仲基自身は、すべての経典が釈尊の直説なのではなくて成立した順序があることを明らかにするなど、仏教を学術的に研究しようとしていたのです。研究によって現在でも通用するような結論を導き出していることに驚かされますし、間違っている点はちゃんと釈先生の訂正が入ります。仲基が何を主張したかったのか、ぜひ本書を読んで確認していただきたいです。
音楽家を自称していたというのが興味深いですし、釈先生の文章が読みやすくて本当におすすめの一冊です。水月昭道先生の書評も貼っておきます。
・三冊目 『仏教百話』(ちくま文庫) 増谷文雄
釈尊の生涯における言が一話完結形式で紹介されていて読みやすい本です。
増谷先生の本は昨年のおすすめに入れた『この人を見よ ブッダ・ゴータマの生涯 ブッダ・ゴータマの弟子たち(増谷文雄名著選)』や、『阿含経典』(全3冊)がおすすめなのですが、読むのに時間がかかるかもしれません。時間は限られていますし、まずは読みやすい本書をぜひに手に取っていただきたいです。
実は法話をさせていただくご縁を頂いた際、休憩時間に読むために本書を持ち歩いています。読んでいてお釈迦さまの言葉が響いてくる瞬間がありますし、そうだ今から私がお話するのは仏教なのだと後押しをいただいています。
先日別院の報恩講にお参りに来られた方から「おみゃあさん、増谷先生の『仏教百話』を読まないかんよ」と声をかけていただき、この本の魅力を語り合いました。好きな本について語るのは幸せですね。ぜひ皆さまのおすすめも共有したいです。
◎ご投稿のお願い
というわけで仏教関係の本であればどのような本でもOKです!
雑誌や漫画でも大丈夫です。
みなさんもぜひ「#2020年おすすめ仏教書3冊」にご投稿よろしくお願いいたします。