https://www.nhk.or.jp/drama10/rakugo/
6話あらすじ
第6話は、菊比古(岡田将生)は助六(山崎育三郎)を取り戻すために四国へいきます。そこでしばらく小夏(助六とみよ吉の娘)を含め三人での生活が続きます。助六を復帰させるために四国で落語会を開いた夜、菊比古はみよ吉(大政絢)と再会し・・・というストーリーでした。
感想
楽しみに見ているドラマの楽しみにしていた回にも関わらず、なんと録画するのを忘れてしまいました。
なんとか見ることができましたが、以後気を付けたいです。
再放送までは待てませんでした(笑)
「必要だからだ、お前さんの落語が。あたしはお前さんを取り戻したいんだ」
「あたしのためにやれっていってんだ」
なんとしても助六を連れ戻そうという覚悟で四国へ向かったんですね。
菊比古は何度も別れを経験してきましたから、もう大切な人を失いたくない気持ちもあったのでしょうが、ライバルや同士が必要なんだという思いもあったのではないでしょうか。
私が学生時代音楽のサークルに所属していた頃、キャンパスが二つに分かれていたので、同じサークルですがそれぞれのキャンパスに別れて練習をしていました。
ある日もう一方のキャンパスと合同練習をしたとき、私の通っていたキャンパスの部員よりもう一方の部員たちのほうが上達していて大変驚きました。
理由はもう一方のキャンパスの方が部員数が多く、切磋琢磨する環境にあったからだと思います。
私はそのときライバルや支え合う仲間の必要性を強く感じました。
小夏とともに暮らしていた助六ですが、みよ吉との仲は上手くいっていないようです。
「あいつには、やっぱりお前さんしか見えてねぇんだよ」
と菊比古に言いつつも、自分にも原因があることを強く自覚しているようでした。
二人の息がぴったり合っていて見ていて楽しいような、このあと悲しい展開になることは予想がついていましたのですでに哀しいような気持ちにもなりました。
さて、菊比古と助六は四国で落語の二人会をおこなうことになりますが、みよ吉はチラシで待ち焦がれていた菊さんが来ることを知ります。
当日松田さん(篠井英介)が東京からやってきます。そしてみよ吉も会場に訪れます。
「坊、お前さんいい咄家になったな」
先に終えた菊比古にそう言って、助六は芝浜を演じます。
「勘弁してくれ」
今回の話は芝浜がすべてだと思います。
圧巻でした。
終演後、東京に帰って3人で暮らそうという菊比古に助六は、一人になりたいんじゃなかったのかと問います。
「人ってぇのはすべてわかりあえるわけがない。それでも人はともに暮らす。取るに足らねぇ、詮ないことをただ分け合うことが好きな生き物なんだ。だから人は一人にならないんじゃないか」
菊比古の答えです。
心の底から出た正直な言葉だと思います。
その夜、菊比古とみよ吉が再会してしまいます。
「一人で生きると、あんなに固く心に決めたのに。なぜ、人の性分はこうも愚かなのでしょうか」
二人は口づけを交わします。
わりと生々しい描写にも関わらず、美しいシーンでした。
みよ吉は建物から下の景色を眺めて一言
「すごくきれい。落ちたら大変ね。一緒に死んじゃおっか?」
その一言を聞いて助六が飛び出てきます。
「やり直させてくれ」
「今日やった芝浜、あれはお前がいなかったらできなかった」
ふいに、みよ吉は建物から転落してしまいます。
助六は助けようと飛び込み、みよ吉を掴みますがともに落ちてしまいます。
菊比古はとっさに助六の手を掴みますが二人を引き上げることはできず、助六とみよ吉は落下していきます。
また菊比古は一人になってしまうのでした。
どうなるのが正解だったのでしょうね。
「落語を葬り去ろう、助六に捨てられた今、その助六が恋い焦がれた八雲の名とともに、落語と心中しよう」
菊比古は助六とみよ吉の言葉を受け継ぐ小夏とともに暮らしていくことになりました。
助六は菊比古の中で生き続けることになります。
助六が託した想い自体は届かなかったですが、芝浜は最高でした。
もっと長い尺でも良かったのではないでしょうか。
それと別れのシーンが意外とあっさりしていましたね。
それほど突然で一瞬の出来事だったということでしょうか。
私としてはその二つのシーンがもう少し長ければ満足度も高くなったように思います。
とはいえ、やはりおもしろいドラマです。
来週は回想から1話に戻ってくるようで、また楽しみです!
私の満足度7(10段階)