あかつきブログ

仏教、音楽、世の中の出来事、サッカーなどについてあかつきが感じたことをゆるーく書きます(^-^)

僕らは奇跡でできている 第9話&第10話

【僕らは奇跡でできている 第9話&第10話】フジテレビ系列、火曜21時放送

https://www.ktv.jp/bokura/index.html

 

9話&10話あらすじ

一輝(高橋一生)は育美(榮倉奈々)のことをどう思っているのか、好きなのかどうか自分でもわからないことに気付いて考えます。また、樫野木先生(要潤)から言われた言葉にショックを受けて講義を休んで森へ向かいます。最後に一輝が出した答えとはどのようなものなのでしょうか。

 

感想

9話の冒頭、一輝と亀のジョージとの出あいが描かれてほっこりしていると、学生の青山さん(矢作穂香)が一輝に告白します!そして育美のことが好きなのではないかと問いかけます。

いやー、大胆ですね!

一輝は青山さんに言われて、自分が育美のことをどう考えているか自分でもよくわからないということに気付くのでした。

 

料理を習いに一輝の家を訪れていた育美が帰った後、山田さん(戸田恵子)も一輝に育美のことをどう思うのかと問います。

この会話で印象に残ったのは

「すごいです。人の気持ちって目に見えないじゃないですか。そういうものに言葉をつけた人ってすごいです」

という一輝の言葉です。

感情があるのは当たり前だと思っていますが、よく考えてみれば実体があるわけではないですよね。

名前をつけたことによって、感情が「ある」ものになったんですね。

ただ、感情には言葉であらわすことのできない細かな違いがあると思いますし、感情の名前に縛られすぎてもつまらないなと思います。

 

さて、育美の部屋にヤモリが出現して、助けてもらうために一輝を部屋に招き入れます。

育美も徐々に一輝のことが気になってきているようです。

 

育美のことをどう思うのか、一輝が出した答えは・・・

「水本先生は謎や不思議でいっぱいです。」、「色んな気持ちになりました」、「僕は水本先生のことがおもしろいです」

普通のドラマであれば想いを伝えるシーンなのですが、いや一輝も思いは伝えてはいるのですが「おもしろい」という表現を使うとは思いませんでした!笑

おもしろいってどういうことなんでしょうね。

謎や不思議があって、接していると色んな気持ちになるってもう好きですよね!

青山さんには「興味ありません。ごめんなさい」と断ります。

「おもしろい」と答えたということは育美には興味があるということですもんね。

 

一輝と育美の関係も気になるのですが、9話&10話で一番目立っていたのは樫野木先生でした。

娘からママが別の人と再婚したがっていると聞かされます。

「ママ、フィールドワークやってた頃のパパが一番かっこよかったって言ってたよ」

やり場のない気持ちは一輝に向けられます。

「そりゃさ、相河先生みたいになれたら幸せだよね。学力があって、できないことがあっても支えてくれる人がいて、好きなことだけやってられて。子供はさ、キラキラした大人に憧れるけど、キラキラした大人なんてほんの一握りしかなれない。なのに学生たちも相河先生みたいになりたがってる。なれなかったらどうすんの?責任とれんの?相河先生はさ、ここだからいられるんだよ。余所じゃやっていけない。それわかってる?わかってるなら、人生の成功者みたいな顔して、学生たちを勘違いさせないでほしい」

「迷惑なんだよ。悪影響なんだよ。ここから消えてほしい」

一輝が驚いて帰宅した後、樫野木先生は鮫島教授(小林薫)と対話します。

やりたいことなんて簡単に見つからない。中にはやりたいことがない自分を責める学生もいるかもしれないと樫野木先生は訴えます。

しかし、鮫島先生は、樫野木先生は自分の課題をすり替えているのではないか、相河先生のせいにして自分と向き合っていないのではないかと問いかけます。

これは鮫島教授のおっしゃる通りだと思いますし、なんだか私に対して言われているような気もしてしまいました。

自分の課題を人のせいにしてしまう弱さってありますよね。

ただし、樫野木先生が言うことにも一理あるように思いました。

キラキラした大人になろう、ならなきゃと思ってもなかなかなれません。やりたいことが見つからず自分を責めてしまうかもしれません。

これらの樫野木先生の主張は多くの視聴者がツッコミたかったことでしょうし、半分くらい的を射ているように思います。

自分の課題をすり替えようとしているという指摘は正しいですが、樫野木先生の問いには答えていませんよね。

 

一輝は講義を休講にして大学をサボってしまいます。

そしてじいちゃん(田中泯)のいる森へと向かいます。

「光を大きくしたら嫌なことまで入ってきて、つらくなっちゃって」

一輝の本音です。

それに対してじいちゃんの答えは・・・

「よかったな」

その一言に一輝は気付かされます。「破れても順調」なのだということに。

「つらい気持ちだって光だから」

「これからも僕の中の光を広げてく」

一輝は大学へ戻り、鮫島先生に大学をやめることを伝えます。

 

樫野木先生の言葉がつらくて悲しかったのはなぜだったのでしょうか。

「僕は樫野木先生と仲良くなりたかったからです」

この気持ちはよくわかります。

私も仲良くなりたいなと思っていた人に嫌われて片思いになると悲しいですよね。

一輝は樫野木先生をフィールドワークに誘います。

 

学生たちは講義を休んでいる一輝のことが気になって鮫島教授に尋ねます。

「相河先生みたいになりたいです」

「でもやりたいことが見つかりません」

度々ありましたが、このドラマのいいところは視聴者が感じる疑問に逃げずに向き合うところです。

樫野木先生も密かに聞いています。

先程の第9話での問いに答えてもらえるのでしょうか。

「たとえば、アイスの木のスプーン。普通はごみだよね。あれをどう生かすか。フィールドワークではちょっとしたことに役に立つ。種や苗を植えたときの目印にしたり、魚を釣るときの浮に使ったり。スプーンはスプーンのままで、他の何かにならなくても色々と生かされる。スプーンは他のものとくらべて何ができるとか、できないとかじゃない。ただそのものを生かしきること」

世界に一つだけの花を思い出しました。

批判されることもある歌詞ですが、私は良い歌詞だなと思っています。

ナンバーワンにならなくても、誰もが輝くことができるはずだからです。

なんでもできてしまうスーパーマンのような人がいるとしても、体は一つしかありません。また、時間も限られています。ですからスーパーマンは誰かの協力を得なければ最大限に力を発揮することはできないのです。協力することによって、スーパーマンではない私たちにも活躍の機会が生まれてきます。

これを比較優位と言います。

力を発揮することができない人がいるとすれば、その人を生かせない社会の側に問題があるのです。

「まず、苦手なことは人に任せちゃえばいいじゃないですか。そうしたら委員長治療に専念できますよ」

丹沢(トリンドル玲奈)が育美に伝えた言葉です。

全部自分でやらなきゃと思わずに分け合うことができたら良いですよね。

 

樫野木先生がフィールドワークに来てくれました。

「自分の情けなさを全部まわりのせいにしてた。だから嫁が愛想つかしたんだよ。本当はわかってる。もう戻ってこないって」

ついに樫野木先生が自分と向き合います。

奥さん戻ってきますよという一輝の言葉が優しいですね。

「だから、相河先生と出あえたのかもしれないね」

鮫島教授の言葉です。

樫野木先生は一輝と出あうご縁だったのですね。

 

一輝は学生たちと樫野木先生に、大学を辞める理由を説明します。

「僕はいつだってみなさんとつながってます。このフィールドワークだってみなさんのことを考えて準備しました。みなさんが僕の中にいるってことです。僕はみなさんでできているってことです。今までであった人もの自然景色いきもの全部でできています。だから時間も距離も関係ありません。いつでもつながってます」

私たちは縁起の中を生かされているんですよね。

「宇宙に行きます!フィールドワークです。楽しみです。」

最終回もやはり仏教テイスト入ってますね。

それにしても宇宙とは素敵な理由です。

「嫌なことも辛いことも消そうとしないで全部光で包んだら、僕の光は無限大になります。つまり、僕の光のなかに宇宙も入るってことです。だから僕は宇宙にいくんです。僕がそうなるためにここに呼んだんですね」

ロシア語、水泳、歯の治療のシーンが挟まるのが気になっていましたが、宇宙へ行くための準備だったのですね。

そして鮫島教授の指摘で講師続けながらでも準備ができることに気付きます。

 

最終回はすばらしい台詞がたくさん飛び出しましたが、私が一番良かったと思うのが熊野さん(阿南健治)のこの台詞です。

「(この世界からひとつだけなくせるとしたら)時間です」

あー、最終回のこのタイミングでこの台詞をもってきますか。

私がこのドラマにハマった理由がわかる気がします。

どういうことか書き始めると長くなるのでやめておきますが、やはり私にとって出あうべくして出あったドラマでした。

 

「僕は水本先生でもできてますね」

育美との関係は最後までさわやかでしたね。

 

そして最後のシーンは宇宙でした。

 

いやぁ良い話でしたね。

仏教者にぜひ見てほしいドラマでした。

とても丁寧な作りで、途中スポンサーの影が見え隠れして興ざめしかけましたが、最後のほうは気になりませんでした。

素敵なドラマをありがとうございました!

 

9話

私の満足度:8(10段階)

 

10話

私の満足度:10(10段階)